超・殺人事件 – 推理作家の苦悩



作品の概要

超・殺人事件

「超税金対策殺人事件」「超理系殺人事件」「超犯人当て小説殺人事件」「超高齢化社会殺人事件」「超予告小説殺人事件」「超長編小説殺人事件」「魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)」「超読書機械殺人事件」の8編からなる短編集。

思わぬヒット作から税金に悩む小説家、ワガママな有名小説家に振り回される編集者、小説の内容どおりに事件を起こす犯人、いきあたりばったりで結末が書けない小説家、小説の内容を瞬時に判断し、書評を書いてくれる機械。

出版業界の裏側をブラックかつユーモアに描いた話題作。

補足情報

2001年に初刊行、2001年に文庫化
2003年に世にも奇妙な物語で「超税金対策殺人事件」がドラマ化
本作に関するインタビューはこちら ⇒ 「超・殺人事件 推理作家の苦悩」インタビュー(新潮社より)

感想

【超税金対策殺人事件】
少しでも税金を安くしようと画策する模様は読んでいて面白かった。
ラストはお決まりのような感じで、ちょっとかわいそうなんですが、まぁ仕方ないかと。
税金で持っていかれる分はしっかり置いておきましょうよ。

【超理系殺人事件】
よかったー。僕は似非理系人間ではないらしいです。
読み飛ばしましたから(笑)
結末というかオチがよかったですね。思わず笑ってしまいます。
ちなみに、ここに出てくるネタは全部本物らしいです。すげぇ・・・。

【超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇) 】
これはやられました。
東野さんの作品でこの種のものは結構あると思うんですが、今回も見抜けず。
素直に面白かったです。

【超高齢化社会殺人事件】
面白かったです。
どんなひねりがあるのだろうと思ってたら、ラストはまさかの展開でしたね。
この「してやられた感」がたまりません。
ちょっと切ないですが・・・。

【超予告小説殺人事件】
ある程度の予想はできましたが、結末まではさすがに読めませんでした。

【超長編小説殺人事件】
僕は基本的に長編で分厚い本が好きです。ワクワクします。
読了後の達成感もあります。
でも読者が求めてるものってこうじゃないでしょーと思わず突っ込みたくなる作品でした。
面白く読めましたが…。

【魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)】
まさかの展開に唖然としてしまいました。
なんとも言葉がありません・・・。

【超読書機械殺人事件】
ネットで小学生の読書感想文を代わりに書くというサービスを見たことがあります。
読書離れを痛烈に皮肉った作品ですが、
現代の子供たちは実際にこれと近いことをしてるんですよね。
さびしい限りです。
かくいう私も本を読むのは好きなんですが、「感想文」はどうにも苦手です。

【総評】
面白かったですけど、よくこんなのが書けたな、というのが率直な感想ですね。
痛烈な皮肉というのは読者からすれば、とても面白いものですが、
文壇の「重鎮」と呼ばれる方々がこの作品を読んだら、どういう感想を持つんでしょうか。
でもそれをサラッと「笑い・ユーモア」にして書けてしまうあたりはさすがは東野さんですね。

おすすめ度:★★★★★★☆☆☆☆



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2011年7月7日 | コメント/トラックバック(4)|

カテゴリー:本の感想

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コメント

  1. momo より:

     読みはじめました。この作品も超面白いです。
     【超税金対策殺人事件】
     アルマーニのスーツやカラオケセットは、給与所得者ではどう頑張っても
     必要経費では落ちませ~ん。その点、作家さんは、いいですね~(笑)
     「住民税もさることながら、国民健康保険料(税)は大丈夫なのかしら?」と心配です。

     【超理系殺人事件】
     似非(エセ)理系人間どころか理系大苦手人間の私ですけど、最後の数学説の科学者が
     受賞されたのが「猿橋賞」だと東野さんが「公式ガイド」に書かれてますよね。
     この「猿橋賞」については以前から知ってました。
     女性科学者に贈られる凄い賞ですよね。
     タダ、タダ、「理系女子って凄い!」と思うのみです。

  2. momo より:

     とにかく面白かったです。
     「歪笑小説」を読了しているので文壇の内情が分かり、よく理解できます。
     RYOJIさん、ご紹介をありがとうございました。

     特に【超長編小説殺人事件】と【超読書機械殺人事件】は、
     可笑しいし上手いと感じた作品です。
     「砂の焦点」「殺す殺せば殺す時」のタイトルには、
     恐れいりました!!
     

    • RYOJI より:

      momoさん
      コメントありがとうございます。
      こういう笑わせる作品は関西人ならでは、なのでしょうか。
      笑シリーズに加えてもよさそうな作品ですよね。


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