鳥人計画



 

作品の概要

 

 

鳥人計画

 

1989年5月 初刊行(新潮社)
1994年7月 文庫化(新潮社文庫)
2003年8月 再文庫化(角川文庫)

 

天才スキージャンパー・楡井明が殺された。
日本のジャンプ界は不振にあえいでいたが、彼だけは世界と同等に戦える実力を持っていた。

捜査は難航するが、ある「密告状」により、捜査は急展開を見せる。
やがてひとりの男が逮捕されるが、それはとても意外な人物であった。

そしてその犯人もまた、「完全犯罪」を確信していただけに
驚きを隠せないでいた。

一体誰が密告したのか?
また、犯人の動機とは?

ラストは予期せぬ悲しい結末が待ち受ける。
スキージャンプというスポーツに賭けた男たちの
苦悩や葛藤、勝つことへの執念を見事に描いた傑作長篇ミステリー。

補足情報

第11回吉川英治文学新人賞候補作
1989年5月 初刊行(新潮社)
1994年7月 文庫化(新潮社文庫)
2003年8月 再文庫化(角川文庫)

登場人物

峰岸貞男:原工業所属のスキージャンプ競技のコーチ
楡井明:原工業所属の天才ジャンパー
杉江夕子:楡井明の恋人。杉江泰介の娘。
三好靖之:全日本チームの総監督。
杉江泰介:日星自動車スキー部監督。
杉江翔:日星自動車スキー部のジャンパー。杉江泰介の息子。
片岡正明:日星自動車スキー部のトレーナー。
沢村亮太:氷室興産スキー部のジャンパー。
日野幸博:氷室興産スキー部のジャンパー。
有吉幸広:北東大学助教授。ジャンプのメカニズムの研究をしている。
加藤:札幌西警察署の刑事。事件の担当捜査官。
佐久間公一:札幌西警察署の刑事。事件の担当捜査官。

感想

本作は、半ばぐらいに差し掛かった時点で犯人がわかってしまいます。
しかしこの作品の素晴らしいところは、
犯人は「完全犯罪」だと確信していたにも関わらず捕まってしまい、
自分の計画を破綻させた人物を犯人が推理する、という点にあります。

この発想はとても面白いと感じましたが、
ミステリー好きにとっては賛否は分かれるかもしれませんね。

また物語が始まってすぐに死んでしまう楡井明という人物が
「とても魅力的な人物」という風に私の目には映りました。

天才的な才能を持つジャンパーでありながら、
天真爛漫で無邪気で純粋な性格の持ち主。

物語が進むにつれて、この楡井明という人物にどんどん引き寄せられていきました。
それが私がこの作品に惹かれたもう一つの部分でもあります。

なぜ彼は殺されなければいけなかったのか?
意外で驚愕の結末が用意されています。
そして、なんとも切なく悲しい気持ちになります。

ただ、楡井明の性格や言動に、どうしても共感できない人もいると思いますし、
そういう人たちにとってはちょっと退屈な作品かもしれませんね。

本作はスキーのジャンプ競技に関する物語です。
東野さんの作品はスポーツものが結構あり、
それぞれについて、かなり詳しく奥深く書かれています。

スキージャンプの理論について書かれている部分は、
興味のない人にとっては、若干退屈に感じてしまうかもしれません。

そして、世界に通用するためとは言え、ここまでしないといけないのか、
という「問いかけ」もあります。

最後の最後で、「目指していたものが根底から崩れるような出来事」があるのは
さすが東野さんと言ったところでしょうか。

スキージャンプに興味がない方でも十分に面白く、
非常に印象に残る作品だと感じました。

おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆



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2011年3月7日 | コメント/トラックバック(2)|

カテゴリー:本の感想

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コメント

  1. ろくしょく より:

    はじめまして。
    私も東野圭吾作品コンプリートを目指してます!
    シリーズごとの一覧やランキングなど、参考にさせていただきます!

    • RYOJI より:

      ろくしょくさん
      はじめまして!コメントありがとうございます。
      東野さんに魅了された者同士、
      これからもよろしくお願いしますね~。
      ろくしょくさんのサイトにもまたお邪魔しますね!


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