怪笑小説




作品の概要

 

 

怪笑小説

 

1995年10月26日 初刊行(集英社)
1998年8月20日 文庫化(集英社文庫)

 

「鬱積電車」「おっかけバアさん」「一徹おやじ」「逆転同窓会」「超たぬき理論」「無人島大相撲中継」「しかばね台分譲住宅」「あるジーサンに線香を」「動物家族」からなる短編集。

ブラックでシニカルな笑いを集めた、ちょっとクスっとくる傑作集。

補足情報

1995年に初刊行、1998年に文庫化

主な登場人物

【鬱積電車】

河原宏:ある研究所に勤務している。満員電車に乗るが…。

【おっかけバアさん】

勝田シゲ子:おばあさん。年金で暮らしているが、歌手の杉原健太郎のおっかけになる
杉原健太郎:役者、歌手。 年配の女性に大人気。

【一徹おやじ】

父:勇馬、望美の父親。子供をプロ野球選手にするのが夢。
勇馬:望美の弟・父親に野球の英才教育を受ける。
望美:弟が産まれるまで、強制的に野球をさせられる。

番野:捕手。武骨館高校で勇馬とバッテリーを組む。

【逆転同窓会】

古沢牧子:巣春高校の元国語教師。
大宮一雄:巣春高校の元国語教師。
柏崎:巣春高校の卒業生。花丸商事の課長。
小山:巣春高校の卒業生。自動車メーカーに勤務している。
松永:巣春高校の卒業生。県警本部に勤務している。階級は警部。
川島(旧姓光本):巣春高校の卒業生。通訳をしている。
本原(旧姓幸田):巣春高校の卒業生。ソフト開発メーカーに勤務している。
神田安則:巣春高校の卒業生。東巣春高校の生物の教師をしている。

【超たぬき理論】

空山一平:タヌキの研究者となり、UFOはタヌキであると主張する。
大矢真:UFOの研究者。一平と対立する。

【無人島大相撲中継】

主人公(俺):会社の社長
恵里子:主人公の愛人
徳俵庄ノ介:元アナウンサーで相撲博士の異名を持つ
谷町一朗:旅行代理店の経営者。

【しかばね台分譲住宅】

主人公(俺):会社員
女房:主人公の妻
エリ:主人公の娘
山下:主人公の向かいの住人
遠藤:主人公の燐に住人

【あるジーサンに線香を】

わし(ジーサン):身寄りのない老人
新島先生:医師
花田広江:看護師
井上千春:本屋の店員

【動物家族】

肇:中学生。周りの人間がある動物に見えてしまう。
タヌキ:肇の父親。
スピッツ:肇の母親。
ハイエナ:肇の兄で大学生 。
猫:肇の姉で高校生。
キツネ:肇の祖母。

ハシモト君:肇の小学校時代の親友。
オオサンショウウオ:肇の同級生で不良グループのボスのリーダー
蛇:タヌキ(肇の父)の愛人。

感想

【鬱積電車】

様々な思いが交錯する人間模様が面白かったです。
主人公が降りた後の様子を想像するだけでゾっとしますね。

【おっかけバアさん】

これだけのめり込めるものがあるというのは
それはそれで幸せなんじゃないでしょうか。
なにもないよりは全然いいと思いました。

【一徹おやじ】

これは好きです。一番面白かったかな。
実はお姉ちゃんが結構すごいんですよね。
でもその度に返ってくる父の返事に思わず笑ってしまいました。
気付けよ・・・おやじ(笑)

【逆転同窓会】

これはちょっと微妙でした。
教師という職業は大変だと思いますけどねー。

【超たぬき理論】

この結末、好きですねー。最後の1行でクスッときました。
ラストが秀逸でした。

【無人島大相撲中継】

こういう人にインチキは通用しないんですよね。
真面目すぎてどうしていいかわからない徳俵さん、
ちょっとカワイソウでした・・・。

【しかばね台分譲住宅】

なんともブラックな内容でしたね。
こういうのがサラっと書けてしまうのは東野さんならでは、という感じがします。

【あるジーサンに線香を】

とてもじゃないけど笑えません。
むしろ切なくて悲しい…。
結末は見えてるんですが。胸が締め付けられる思いでした。

【動物家族】

これも「笑い」じゃないですね。
なんとも暗く、恐ろしい内容でした。

肇が自分の姿を見たとき、最初は得体のしれない
「灰色の爬虫類」だったんですが、まさか○○だったとは…。
悲しい物語です。

【総評】

サクっと読めてしまいます。
ただ、「笑い」の要素はそんなになかったな、と思いました。

特に最後の2つ。
「あるジーサンに線香を」と「動物家族」には笑える場面なんて1つもありません。
むしろ悲しくて切ないストーリーかと。
なんで本作に所収されてるのか不思議なくらい。

ブラックでシニカルな笑い系といえば、
毒笑小説」「黒笑小説」の方が面白かったですね。

おすすめ度:★★★★☆☆☆☆☆☆

関連記事
毒笑小説
黒笑小説



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2011年6月28日 | コメント/トラックバック(3)|

カテゴリー:本の感想

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コメント

  1. Ryoji@管理人 より:

    書き込みテスト
    by管理人

  2. momo より:

    今日の20日から26日まで公演される劇
    「あるジーサンに線香を」の舞台稽古を
    テレビ番組で偶然に視聴しました。

    モト冬樹さん・山本陽子さんなど芸達者な役者さんたちで
    興味ひかれます。
    復活公演の成功を心から願ってますねー。

    • RYOJI より:

      momoさん
      いつもコメント、ありがとうございます。
      一度、中止になったんですよね、これ。
      当初は本木雅弘さんもでる予定だったみたいですね。
      舞台は見たことないんですが、これはどんな感じだったんでしょうかね?


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