カッコウの卵は誰のもの



 

作品の概要

 

 

カッコウの卵は誰のもの

 

2010年1月20日 初刊行(光文社)
文庫化未定

 

緋田宏昌はアルペンスキーの元オリンピック日本代表選手で、彼の娘・風美もまた天才スキーヤーとして、注目を集め始めていた。
新世開発スポーツ科学研究所の柚木は緋田親子の遺伝子パターンに関する研究の協力を依頼するが、
緋田はそれを了承することができない理由があった。

彼にはどうしても知られたくないある重大な秘密があったのだ。

緋田が苦悩する中、
さらに風美に対し、試合の出場を辞退せよという脅迫状が届き、ある事件が起こる。

誰も予想できない驚愕の結末が待ち受ける長編傑作ミステリー。

補足情報

2010年1月20日 初刊行(光文社)
文庫化未定
連載時の原題は「フェイク」

主な登場人物

緋田宏昌:アルペンスキーの元・五輪選手
緋田風美:緋田宏昌の娘、アルペンスキーの選手
緋田智代:緋田宏昌の妻。風美が小さい頃に自殺する

柚木洋輔:新世開発スポーツ科学研究所副所長

上条伸行:ケーエム建設の社長。緋田親子に近づく

鳥越伸吾:柚木に才能を見出され、クロスカントリーを始める
鳥越克哉:鳥越伸吾の父親。元・登山家

上条世津子:上条伸行の妻
上条文也:上条伸行の息子。ケーエム建設常務。ある病気を患っている。

畑中弘恵:智代の親友。19年前に火事で死亡

感想

本作の主人公である緋田宏昌は、アルペンスキーの元オリンピック選手で、
彼はある重大な秘密を抱えています。

しかし、娘である風美は彼が抱えている秘密は知りません。
本作は緋田が抱えている秘密、苦悩を軸に進んでいきます。

この緋田宏昌という人物にとても好感が持てました。

秘密を隠し通そうとするのではなく、いずれ打ち明けなければならない
と苦悩し続ける姿に感情移入してしまいます。

そして、トップスキーヤーの父に育てられ、
自らもその道に進もうとしている娘・風美からも絶大な信頼を得ています。

それがさらに父の苦悩の原因となるのですが…。
ここらへんは読んでいてとても切なかったですね。

そして更なる苦悩の種として、
スポーツ科学研究所で遺伝子パターンの研究をしている柚木が絡んできます。

私は最初この柚木という人物が嫌いでした。
もしかしたら、読まれた方は大抵そう感じるのではないでしょうか。

でも、この柚木が終盤、ものすごくいい働きをするんですね。
そして、いつの間にか「いい人物」になってました。

このパターン、結構好きなんですよね。

結末は、はっきり言って驚きでした。
最初から先入観はもちろんあったとは思いますが、
この結末はちょっと予想できないなと思いました。

ラストの畳み掛ける展開が私は結構好きで、一気に読めました。

ただ、あちらこちらに、「おや?」と思わせるような、
疑問点とか違和感みたいなものも感じました。
読み終えてからもどうもスッキリしない箇所があって、それが残念でした。

細かい部分が気にならなければとても面白い作品だと思います。
是非、ご一読を。

おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆



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2011年5月12日 | コメント/トラックバック(7)|

カテゴリー:本の感想

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  1. mmjブログ より:

    カッコウの卵は誰のもの

    東野圭吾著 2010年光文社刊
    初出は「バーサス」2004年~2006年、「小説宝石」2006年~2008年となっている。『夢はトリノをかけめぐる』で書いてた『フェイク』ってこの作品のことか!「バ…

  2. カッコウの卵は誰のもの 東野圭吾

    カッコウの卵は誰のもの著者:東野 圭吾光文社(2010-01-20)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る
    スキーの元日本代表・緋田には、同じくスキーヤーの娘・風美がいる。母親の智代は、風美が2 …

  3. カッコウの卵は誰のもの

     「カッコウの卵は誰のもの」の主人公はアルペンのスキー選手です。このカッコウとい

コメント

  1. 苗坊 より:

    こんばんは^^私も読みました。
    ミステリ部分はとても面白くて読む手が止まらなかったです。
    最後まで楽しめたのですが、ん?と違和感があるところがなくはなかったですね。
    でも、結末は予想だにしていなかったので、流石東野さんだなと思いました。

    • RYOJI より:

      苗坊さん、コメントありがとうございます。
      僕も結末はかなりびっくりしました~。
      もう少し完成度が高ければなぁと思いました。
      東野さんが好きだからこそ求めるものも大きいんですよね^^

  2. momo より:

     私は、「大作家東野さんもやはり人間なんだ・・」
     「誰でもミスはある・・」と親近感を持てた作品でした。
     初版1刷だけで今は、訂正されていると思いますが・・。

     購買意欲をそそるタイトルの付け方は、「上手い」の一言につきます。
     内容は、若干ものたりなかったです。

    • RYOJI より:

      momoさん
      コメントありがとうございます。
      タイトルには確かに魅かれましたね。
      内容は僕もちょっと物足りないと思いました。
      ウインタースポーツ好きの東野さんだけあって、スキーの描写が細かいことに驚きました。


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