片想い



 

作品の概要

 

 

片想い

 

2001年3月 初刊行(文藝春秋)
2004年8月4日 文庫化(文春文庫)

 

大学時代、アメリカンフットボール部に所属していた
仲間たちと久々の再会を果たした西脇哲朗たち。

その時、当時アメフト部の女子マネージャーだった日浦美月から
ある驚きの事実を告白される。

たが美月は、自分のためになんとか協力しようとしていた
哲朗たちの前から姿を消してしまう。

哲郎たちは美月の行方を捜しながら隠された真実に迫っていく。

ジェンダー問題、夫婦、友達…。
様々な問題を真正面から問いかける傑作長編ミステリー。

補足情報

第125回直木賞候補作。
2001年3月 初刊行(文藝春秋)
2004年8月4日 文庫化(文春文庫)

主な登場人物

西脇哲朗:スポーツライター。元・帝都大アメフト部のクオーターバック(QB)
西脇理沙子:哲朗の妻でカメラマン。元・帝都大アメフト部のマネージャー
日浦美月:元・帝都大アメフト部のマネージャー
中尾功輔:大手食料品メーカー勤務。元・帝都大アメフト部
早田幸弘:新聞記者。元・帝都大アメフト部
須崎:損害保険会社に勤務。元・帝都大アメフト部

佐伯香里:バー『猫目』の従業員。
戸倉明雄:バー『猫目』の常連客。死体で発見される。

末永睦美:半陰陽の陸上選手。

嵯峨正道:劇団『金童』の主催者。

感想

タイトルの『片想い』からは、
学園もの、恋愛もののような作品を想像していましたが、
本作は、私にとっては非常に難しいと感じる作品でした。

ジェンダー、夫婦間の問題、友情などが複雑に絡み合ってきます。

この作品は3回ほど読んでいますが、
正直なところ初めて読んだ時、特に序盤から中盤あたりまでは、
かなりの違和感があり、多少の苦痛さえありました。
(美月が哲郎のことを「QB」って呼ぶのも、う~ん、どうかと…)

ところが、改めて2度3度と読み直してみると
また全然違った印象を受けました。

私は正直言って、性同一性障害の知識が全くといっていいほどありません。
初めて読んだ時の違和感はそのことが原因かもしれません。

ただ、やはり東野さんの作品は面白いです。

性同一性障害の知識が全くなかった1回目でも、
中盤から後半にかけての展開からは目が離せず、
いつの間にか虜になってしまっていました。

個人的には、劇団『金童』の「男の世界」のくだりは鳥肌ものでした。

あと、登場人物もよかったんじゃないでしょうか。
特に私個人としては、早田がいいですね。

いろいろと考えさせられる作品であることは間違いないですね。
読み終わってスッキリ!という内容ではないですが、
未読の方や、是非読んでいただきたいと思います。

また、2度、3度と読んでいただいても、
ガラリと印象が変わるかもしれませんよ。

おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆



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2011年3月23日 | コメント/トラックバック(3)|

カテゴリー:本の感想

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コメント

  1. basil より:

    私「秘密」を読んだ時も、時間が経って読み返すと感想が変わるかもしれないと思ったんですよ。「秘密」は今の私にとって正直ぴんとこない内容だったのですけど。
    しかし東野さんて取り上げる内容が多岐に渡ってるのですね~。ほんとに頭の中を覗いてみたい。

    • RYOJI より:

      1回目は「ん?」と思っても、2回目、3回目で
      面白いと感じる作品は結構多いですね。
      東野さんが扱うテーマは、本当に幅が広くていつも驚かされます。
      引き出しの多い作家さんですよね。

  2. るぱん より:

    初めてこのサイト読ませてもらって、楽しく拝見させて頂いたので、コメントしたくなりました◎

    わたしが初めて読んだ東野作品は、この「片想い」でした。
    それまで全然本を読まなかったのに、本ってこんなに面白いんだと教えてくれたのが東野作品です。

    片想いは、新刊で読んだと思うのですが、当時は本当に性同一性障害って知られていなくて、そんな中でこの本を読んで衝撃を受けました。
    本を読んで衝撃を受けたって感覚が初めてで、そこからいろんな本を読み始めた気がします。
    東野作品も制覇した気がします。

    個人的には白夜行のような長編を今度期待してます!


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