魔球



 

作品の概要

 

 

魔球

 

1988年7月 初刊行(講談社)
1991年6月4日 文庫化(講談社文庫)

 

春の選抜高校野球大会、9回裏2アウト満塁。
開陽高校のエース須田武志はそれまで剛速球で打ちとってきたが、最後に落ちる「魔球」を投げた。
結果、暴投となってしまい、開陽高校は敗退してしまう。

そしてその直後、開陽高校の捕手でキャプテンでもある北岡明が、何者かに刺殺された。
北岡は生前、須田が最後に投げた球は確かに「魔球」だったと明かしていた。

北岡の死の真相と須田が投げた「魔球」との因果関係は?

天才投手・須田の隠された苦悩と彼を取り巻く複雑な環境を軸に物語は展開される。
そして、さらなる事件が起きるが、ここにも「魔球」の文字が。

野球に情熱を注いだ少年と「家族」の悲しい物語。

補足情報

第30回江戸川乱歩賞候補作
1988年7月 初刊行(講談社)
1991年6月4日 文庫化(講談社文庫)

登場人物

須田武志:開陽高校野球部のエースで誰もが認める天才投手。
北岡明:開陽高校野球部の捕手でキャプテン。何者かに殺害される。
須田勇樹:須田武志の弟。
須田明代:勇樹の実の母で、武志の育ての母。
須田正樹:須田武志の父親
須田志摩子:武志の実の母親。
森川:開陽高校の物理教師・野球部の監督 /
手塚麻衣子:開陽高校の国語教師 /
中条健一:東西電機社長

感想

推理小説として見るとトリックや緻密な伏線という意味ではちょっと物足りない感じも受けます。
途中、「ん?この事件ってなに?」っていうちょっと頭をシャッフルされたような感じがありましたが。

ただ、本作の魅力はなんといっても主人公のキャラクターではないかと思います。
孤高の天才投手・須田武志という立派なキャラクターの存在が物語りをぐっと引き締め、感動を呼ぶものに仕上がっていると感じました。

物語が進むにつれて、須田武志という人間性や生い立ちが次第に明かされていくのですが、
どんどん引き込まれていく感じがしました。

本作は感想を述べようと思ったら、どうしてもネタバレの要素が含まれてしまうのでうまく表現ができないのがとても残念です。
須田がどんな思いでなんのために「魔球」を習得したのか。
それが明らかになった時は胸が締め付けられました。

須田が取った行動は決して最良であるとは思えません。
しかし、須田の性格・環境からすれば、それしか方法がなかったのかなぁとも思います。

悲しい結末ではありますが、最後はちょっとスッキリできたかな、と思います。

是非読んで頂きたい作品です。

おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆



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2011年3月2日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:本の感想

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