浪花少年探偵団



 

作品の概要

 

 

浪花少年探偵団

 

1988年12月 初刊行(講談社)
1991年11月5日 文庫化(講談社文庫)

 

竹内しのぶ、25歳、独身、短大卒。
大阪大路小学校6年5組の担任の教師。ちょっと見は丸顔の美人だが、口も早いし手も早い。

そのしのぶセンセの周辺で次々不可解な事件が発生し、
しのぶセンセと教え子探偵団が大活躍。

しのぶに好意を寄せる刑事の新藤とエリート会社員・本間も加わって
繰り広げられる痛快ミステリーの傑作短編集。

補足情報

1988年12月 初刊行(講談社)
1991年11月5日 文庫化(講談社文庫)
2000年 山田まりや主演でドマラ化(NHK教育テレビのドラマ愛の詩シリーズ)

主な登場人物

竹内しのぶ:大路小学校6年5組の担任
田中鉄平:大路小学校6年5組の生徒
原田郁夫:大路小学校6年5組の生徒

新藤:大阪府警捜査一課勤務の刑事
漆崎:大阪府警捜査一課勤務の刑事

本間義彦:K工業の幹部候補生

感想

本作はミステリーを楽しむ、というよりも
しのぶセンセという女性と彼女を取り巻く人間模様を楽しむ、
といった傾向のほうが強い作品ですね。

小学校の教諭であるしのぶセンセは、これぞ大阪人!という性格の持ち主で、
彼女の周辺で次々と起こる事件に自ら首を突っ込んでいきます。

そして、女性特有の鋭い勘で見事な推理を披露します。

彼女の活躍には田中鉄平と原田郁夫という「悪ガキコンビ」の存在が
必要不可欠です。
しのぶセンセとのやりとりはまるで漫才を見ているかのようで、
思わず笑ってしまいます。

しのぶセンセの
「塾みたい休んだらええ。塾とファミコンとどっちが大事や!」
っていうような意味のセリフがあって、それがとても印象に残っています。

しのぶセンセの人間性をとてもよく表してると思います。
現代の親や教師からはとても聞けるセリフじゃないですね、きっと。

そして、新藤刑事とエリート会社員・本間との
しのぶセンセを巡ってのやりとりも実に面白いですね。
個人的には新藤刑事に頑張ってもらいたいんですが…。

もちろん、ミステリーのしての要素も十分に面白い作品です。
驚きの結末はもちろん、「しのぶセンセを仰げば尊し」では、
ちょっと感動的な結末にじーんと来てしまう事でしょう。

とにかく面白い作品です。
短編集でサクサク読めるというのも逆によかったと思いますね。
物足りなさを感じる方もいるかもしれませんが、
このシリーズは短編集でサクサク読むのが合っていると思います。

また、もちろんですがセリフはほぼ全て、コテコテの関西弁です。
私自身、関西の人間ですので、違和感無く読むことが出来たし、
これもこの作品の好きな要素のひとつですが、
関西弁に免疫が無い方が読めば、ここまで「面白い!」と
感じることができないかもしれませんね。

それにしても、しのぶセンセのような教師がいたら、
学校ももっと楽しかったのになぁとつくづく思わされました。
これが通じるのは大阪ならでは、という感じがしますけどね。

東野さんの作品は重く切ないものが多い中、
ちょっと気分転換、息抜き的な意味合いで読まれることをオススメします。

ミステリーなのですがかなり笑えますし、スカっとしますよ。

おすすめ度:★★★★★★★★☆☆



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2011年5月1日 | コメント/トラックバック(9)|

カテゴリー:本の感想

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  1. 東野圭吾『浪花少年探偵団』

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    今回は、東野圭吾『浪花少年探偵団』を紹介します。丸顔美人で独身なんだが、外見と中身が大違いで、口も早い…

  2. 浪花少年探偵団(東野圭吾)

    小学校教諭しのぶ先生としのぶ先生のイキオイに巻き込まれた教え子達や刑事さんの活躍を描いた短編連作集。

  3. つれづれ帳 より:

    浪花少年探偵団【本】

    東野 圭吾(著)

コメント

  1. basil より:

    東野さんて確か大阪出身なんですよね。
    だからきっと吉本的なものって普通に備わってるのですよね、きっと。
    なんか最近読書体力が落ちちゃって、短編集みたいな方がさくさく読めていいかもと思ってます。

    • RYOJI より:

      basilさん
      そうです、大阪出身ですよ~。
      「浪花少年探偵団」はまさに東野さんならではの作品だと思います。
      とても読みやすいので気分転換にぜひ読んでみてください~。

  2. momo より:

    23年前に出版されたこの本の文庫新装版が、明日15日に発売予定なので
    これを機会に読んでみようと思います。

    解説が宮部みゆきさんだそうなので、これも楽しみのひとつです。
    「しのぶセンセにさよなら」も読んでみたいです。

    コテコテの関西弁を楽しみますね。

    • RYOJI より:

      momoさん
      コメントありがとうございます。

      なんと新装版が出るんですね!
      こういうのを聞くと欲しくなってしまいます。
      個人的には2のしのぶセンセにさよならの方が好きですねー。

  3. momo より:

    食べ物には極端に弱くて「黙っとったらべっぴん」で足の速いしのぶセンセ。
    コテコテの大阪弁で痛快に事件を解決しまくっていて、お腹かかえて笑いこけました。

    悪ガキ連やヒラ刑事コンビとの会話も躍動感あふれていて、「さすが関西!」と
    喝采です。

    解説を書かれた宮部みゆきさんが、「東野作品でいちばんのお気に入り」といわれるのも納得です。
    「関西人ーこの摩訶不思議な魅力」のタイトル一文に尽きますね。

    次は、新装版「しのぶセンセにサヨナラ」へ行ってみます。

    • RYOJI より:

      momoさん
      コメントありがとうございます。
      コテコテの関西弁は慣れていない方からすれば読みにくかったかもしれませんね。
      僕はとても面白く読めました。


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