パラレルワールド・ラブストーリー



 

作品の概要

 

 

パラレルワールド・ラブストーリー

 

1995年2月 初刊行(中央公論社)
1998年3月13日 文庫化(講談社文庫)

 

敦賀崇史は平行して同じ方向に走る別の電車内の女性に恋をしていた。

そしてその女性と意外な形で対面することになる。
親友で同期の三輪智彦が「自分の恋人」として紹介した女性が、
崇史が恋に落ちた、津野麻由子だったのである。

崇史は智彦に対する友情と真由子に対する恋愛感情の間で大きく揺れ動く。

ある時、崇史は自分の記憶に重大な欠陥があることに気が付く。
そしてその記憶の欠陥に関連するであろう人物が次々と
自分の前から姿を消していく。

崇史は自分の記憶を取り戻すため、真実を探り始める。

友情と恋愛の葛藤、そして失われた記憶の謎に迫る、
壮大な長編ミステリー。

補足情報

1995年2月 初刊行(中央公論社)
1998年3月13日 文庫化(講談社文庫)

登場人物

敦賀崇史:MACを経て、コンピュータメーカー「バイテック社」に勤務。
三輪智彦:敦賀崇史の親友で同期。
津野麻由子:バイテック社傘下の「MAC技科専門学校」に在籍。
篠崎伍郎:津野麻由子と同期入社。
直井雅美:篠崎伍郎の恋人。

感想

本作はかなり特異な形式で進んでいきます。
現在と過去の2つの時系列を交互に織り交ぜながら話は進んでいきます。

最初の内はかなり頭をシャッフルされました。
序盤は「え?あれ?」と思う部分が多々ありました。

物語が進んでいくにつれて、「現在」の主人公・崇史は
自分の記憶がかなりあやふやであることに気が付きます。

なぜ今、自分はこの女性と付き合っているのか?
大親友で同期でもある三輪智彦は今どこで何をしているのか?

大事な部分の記憶が完全に欠如してしまっています。

そして、徐々に記憶を取り戻す内に隠されたある真相へと
到達していくのですが…。

敦賀崇史は親友である三輪智彦の恋人・麻由子に恋をし、
「友情」と「恋愛」の間で苦悩し、葛藤し続けます。

そして、その答えとして、智彦はある一つの結論に達します。
その結論があまりに悲しく切ないもので、
何度読んでも涙が出ます。

崇史と智彦の友情と葛藤、麻由子の気持ち、
そして、失われた「記憶」が絶妙に絡み合った作品です。

崇史が今後、どのように生きていくのかが非常に気になるところです。

おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆



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2011年3月8日 | コメント/トラックバック(6)|

カテゴリー:本の感想

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コメント

  1. Rie より:

    昨日読みました。
    切ない…。
    相変わらず東野さんのお話はその後どうなったのか気になりますね〜!
    私は主人公を智彦にして智彦の視点で展開していっても面白かったなぁ…とも思いました。
    その場合もっともっと悲しい気持ちになったと思いますが(‥。)

    • RYOJI より:

      Rieさん
      いつもありがとうございます。
      本作は徐々に真相に近づいていく感じがとても好きです。
      それにしても切なすぎですよね。その後もすごく気になりますね。
      こういう終わり方って東野作品に多い気がします。

  2. キリン より:

    タイ人のキリンです。

    この作品も読みました。
    ラブストーリーという言葉も作名に載っているので、買うには時間がかかりました。(笑)でも、やっぱり買ってよかったです。
    ストーリーがとてもよくて、色々考えさせた作品だと思います。
    ちょっと科学的な話なので、理系に向いてない僕にはちょっとなんですが、大体の内容がピントされたので、すごい切ない恋愛話だと思います。

    • RYOJI より:

      キリンさん
      コメントありがとうございます。
      この作品は進み方が独特で最初は頭が混乱しました。
      ラストは切なかったですねー。
      主人公の「その後」がとても気になる作品でした。

  3. 東洋 より:

    私がこの小説で好きなのは後半、それもかなり最終章あたりになります。
    それは「真由子」の態度や発言・行動です。
    この「真由子」の立ち位置に感情が揺れます。
    男二人の切なさ、揺れる感情が読んでいて痛いほど伝わってきます。
    最初は読んでいて、状況把握に戸惑いますが、読み進めていくうちにその戸惑いも小さくなり
    最期は素敵な切なさが残る感じです。
    素晴らしいラブストーリーと思います。

    • RYOJI より:

      東洋さん
      コメントありがとうございます。
      素晴らしいラブストーリーでしたが、僕は切なかったですね~。
      こういう切ないのが多いですよね、東野さんって。


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