聖女の救済



 

作品の概要

 

 

 

聖女の救済

 

2008年10月23日 初刊行(文藝春秋)
2012年4月10日 文庫化(文春文庫)

 

真柴義孝・綾音夫妻には子供がいない。
そしてそれを理由に義孝は綾音に離婚を切り出す。

義孝は妻は子供を産んでこそ価値があると考えているのだ。

ある日、義孝が自宅で死んでいるのが発見された。
彼が飲んだコーヒーに毒物が混入されていたのだ。

発見したのは、綾音が開いているパッチワーク教室の講師で、
綾音の愛弟子でもある若山宏美だった。

義孝殺害に明確な動機がある妻の綾音に容疑がかかるが、
綾音には完璧なアリバイがあり、捜査は難航する。

事件を担当した警視庁捜査一課の草薙刑事は友人で天才物理学者の
ガリレオこと、湯川学に捜査協力を求めるが・・・。

湯川が出した結論は「虚数解」
理論上はあり得るが、現実的にはあり得ない
という答えだった。

湯川に「完全犯罪」と言わしめた驚愕のトリックとは?
ガリレオシリーズ待望の長篇傑作推理。

補足情報

ガリレオシリーズ第5弾。
2008年10月23日 初刊行(文藝春秋)
2012年4月10日 文庫化予定(文春文庫)

登場人物

湯川学
現帝都大学物理学准教授。通称「ガリレオ」。
警視庁捜査一課所属の草薙刑事に依頼され、捜査を手伝うようになる。
天才物理学者で、雑学知識もかなりのもの。スポーツも万能。

草薙俊平
警視庁捜査一課所属の刑事。帝都大学社会学部出身で、湯川とは同期。
難事件解決のため、同期で友人のガリレオこと湯川に助けを求める。

内海薫
女性刑事。女性ならではの勘は鋭く、洞察力もある。
負けん気が強く、草薙とはよく意見が対立する。

真柴綾音
義孝の妻。パッチワークの教室を主宰している。
夫に尽くす良き妻であり、かなりの美貌の持ち主である。

真柴義孝
IT会社社長で綾音の夫。綾音との間に子供が出来なかったため、離婚を切り出すが、
翌日、自宅で毒殺されているのが発見された。

若山宏美
綾音が主催するパッチワーク教室の講師であり、綾音の助手。
義孝の死体を発見する。

感想

まず、帯に魅かれます(笑)
「おそらく君たちは負ける。僕も勝てない。これは完全犯罪だ」
「理論的には考えられても、現実的にはありえない」

ガリレオシリーズをよく知っている人なら、
これだけで、面白そう!っていうのは想像が付きますね。

あの、強気で天才物理学者の湯川に
これほど弱気なセリフを言わせるほどのトリック。
気にならない訳がないですよね。

まず読んでみて思ったのは、義孝って人は、
これは殺されても仕方ないな、と。

かなり偏った考え方を持った人です。
世の女性たちを全て敵に回しそうな・・・。

でもそういう男性だからこそ、今回のような犯罪が起きるんですけどね。
最後まで読んだ時、
確かにこれは「ありえない!」って思いました。
犯人の恐るべき執念があって可能になるトリックですが、
それと同時に本作の被害者である義孝のような人じゃないと
成立しえないな、とも感じました。

これはさすがのガリレオ先生も苦戦するはずですよね。
「虚数解 – 理論的には考えられても、現実的にはありえない」
という意味がよくわかりました。

それと、「聖女の救済」というタイトルですが、
これも全ての謎が解けた時には納得ですね。
なるほど、「救済」とはよく言ったものですね。

ちなみに、これは僕の個人的な気持ちなのですが、
この事件は、加賀恭一郎に解決させても面白いんじゃないかと思いました。
彼ならどうやってあのトリックを見破るのか見てみたいものです。

あと、せっかくのガリレオシリーズ長篇なので、
容疑者xの献身に続いて、「映画化」も期待したいところです。
もちろん同じキャストでね。
これは絶対面白いでしょう。

おすすめ度:★★★★★★★★☆☆



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2011年2月16日 | コメント/トラックバック(10)|

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  2. 東野圭吾「聖女の救済」を読んだ

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  3. 読書:聖女の救済

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  4. てっきり次のガリレオ映画版は『聖女の救済』かと思ってた。

    『容疑者Xの献身』の原作が長編だから次の映画は『聖女の救済』だろうと睨んでいたら。ありゃ?違ったみたい。 たしかに意外性はあったけど『容疑者~』のほうがトリックとか凄かっ…

コメント

  1. momo より:

     まず、被害者の自己中心的性格の酷さに驚愕させられます。
     次に、加害者の発想にも。

     この事件は、現代科学の粋スプリング8とガリレオ先生の英知がなければ
     完全犯罪でした。
     完読後、浮かんだのは「天網恢恢疎にして洩らさず」の諺です。

     内海刑事の「主婦の勘」ならぬ「女性の勘」に感動です。
     

    • RYOJI より:

      momoさん
      いつもコメントありがとうございます。
      加害者の発想は全女性を敵に回すでしょうね。
      僕でも胸くそ悪くなりました。
      ガリレオ先生をもってしても完全犯罪になるところでしたね。
      それだけに面白い作品だったと思います。
      映画化来るかなぁと期待してたのですが、無かったですね・・・。

  2. キリン より:

    この小説を読み終わると、心には何かが残っている感じがするんですね。
    痛みますね~~~~~~~

    • RYOJI より:

      キリンさん
      コメントありがとうございます。
      ガリレオ先生をここまで苦しめた完全犯罪は見事でしたね。
      そういえば、もうそろそろ文庫化になってもいい頃かと。
      映像化して欲しい作品のひとつですね。

  3. sin より:

    文庫本が出ていたので読みました。
    直ぐ内容に引き込まれ一気に読んだのですが、このトリックには無理が有りすぎるように感じました。

    • RYOJI より:

      sinさん
      コメントありがとうございます。
      このトリックは凄かったですね。無理があるってことで湯川先生も「虚数解だ」って言ってましたからね。
      やっぱり映像化は無理でしょうかねえ。


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