天使の耳



 

作品の概要

 

 

天使の耳
(「交通警察の夜」より改題)

 

1991年12月 初刊行(実業之日本社)
1995年7月6日 文庫化(講談社文庫)

 

「天使の耳」「分離帯」「危険な若葉」「通りゃんせ」「捨てないで」
「鏡の中で」からなる短編集

真夜中の交差点で車同士による衝突事故が発生し、一方のドライバー
は死亡してしまう。

同乗していた妹は目が不自由だったが、前代未聞の驚くべき方法で
死んだ兄に過失が無かったことを証明するが…。

日常生活で誰にでも起こりうる交通事故を描いた傑作短編集。

補足情報

1991年12月 初刊行(実業之日本社)
1995年7月6日 文庫化(講談社文庫)
文庫化に伴い、『交通警察の夜』から『天使の耳』にタイトルが変更された。

主な登場人物

【天使の耳】
陣内瞬介:交通課勤務の警察官

御厨謙三:交通事故を起こし、死亡する。妹が同乗していた。
御厨菜穂:謙三の妹。兄の正当性を主張する。目が不自由。
御厨友紀:謙三と菜穂の妹。

友野和雄:陣内瞬介と衝突事故を起こす。
畑山瑠美子:友野が運転する車に乗っていた女子大生

【分離帯】
世良一之:交通課勤務の警察官

向井恒夫:トラックの運転手。分離帯に衝突し死亡する。
向井彩子:世良の高校時代の同級生で、向井恒夫の妻。
石井:事故現場付近に黒のアウディを駐車させていた女性。

【危険な若葉】
三上:交通課事故処理班の警察官

福原映子:後方の車にあおられ、交通事故を起こす。
福原真智子:映子の妹。

森本恒夫:大学3年生。アルバイトでテニスのコーチをしている。

【通りゃんせ】
佐原雄二:コンピュータ・サービスの会社に勤務。
尚美:雄二の恋人。

前村敏樹:佐原の車に当て逃げしたが、申し出て謝罪する。

【捨てないで】
深沢伸一:カメラマン
田村真智子:深沢伸一の婚約者。

斎藤和久:白いボルボに乗っている。
斎藤昌枝:和久の妻でファッションビルを経営している。
中井春美:和久の愛人。

【鏡の中で】
織田雅之:交通課勤務の警察官。

中野文貴:東西化学陸上部のコーチ。事故を起こし相手を死亡させる。
萩原昭一:中野文貴の運転する車と接触し事故死する 。

山本和美:東西化学陸上部所属のマラソン選手。
堀江順子:東西化学陸上部所属のマラソン選手。
田代由利子:東西化学陸上部所属のマラソン選手。

感想

ひとつひとつの物語がとてもクオリティが高く、
驚きの結末ばかりでした。

特に良かったのは「天使の耳」「通りゃんせ」でしょうか。

「天使の耳」では、少女の才能に驚きましたが、
なんといってもこの結末にはゾクゾクっとしてしまいます。
これぞ東野作品と思わせる最後でした。

「通りゃんせ」はなんとも悲しい物語です。
これを読むと、違法駐車をしようとは思わなくなるでしょうね。
もし自分が前村の立場だったらと思うと…。

本書は「交通事故」をテーマにした6つの物語からなる短編集です。
交通事故を扱ったミステリーを読むのは初めてで、
あまり馴染みはありませんでしたが、とても新鮮で良かったと思います。

本作で紹介されているような交通事故の場面というのは、
誰にでも起こりうるとても身近な出来事です。
なので、本作はとても他人事で読むことはできません。

そういう意味ではとても怖い作品だなぁと感じました。
全ての物語において、自分自身に置き換えてみると、
本当にぞっとします。

運転免許証を持っている人なら、是非お読みいただきたい作品ですね。
そして、これを読むと交通事故に対する意識が変わるかもしれません。

それにしても。
「天使の耳」の結末は、なんとも…。

何度も言いますが、さすが東野さん、ですね。

おすすめ度:★★★★★★★★☆☆



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2011年3月31日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:本の感想

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